第8回古民家改修ワークショップ「土壁仕上げ③&こんにゃく作り」in 多可町八千代区中野間のご報告

外壁塗りは、天気と相談しながらの作業になるので少し間が空いていましたが、この日は良い天候に恵まれて、無事に寄宿舎の外壁を仕上げることができました!それに加えて今回は、地元のご夫妻に指導をしてもらって「こんにゃく作り」に挑戦。この時期になったら、是非やってみたいと思っていた企画ですので楽しみです。

こんにゃくはこんにゃく芋という芋を擦り潰して練ったものからできているというのを知っている方は多いと思いますが、こんにゃく芋は普通のスーパーでは売っていませんので、実際の芋を見たことがある人はそんなに多くはないと思います。この写真に載っている芽が出ている芋で3年目だそうです。なので、こんにゃく作りに適した芋に育つまでは、かなり時間がかかるとのこと。
まず芋の皮を向いてから、適当な大きさに切って30分ほど茹でます。柔らかくなったら茹で汁と一緒にミキサーにかけて潰し、しっかり手で混ぜてからしばらく放置。その後、お湯で溶いた炭酸ナトリウムを入れて手早く混ぜます。これが結構大変な作業で、腕がだるくなりますが頑張って混ぜます。そして、それを持って帰りやすいようにパックに詰めて固めます。文章で書くとたったこれだけの工程ですが、間に寝かす時間もありますので、結構時間がかかる作業です。

そして、今回の大工仕事は、以前下塗りをした寄宿舎の外壁に漆喰を塗る作業です。雨風にさらされる場所ですので、普通の真っ白な漆喰ではなく、土の中にサラダ油を混ぜたり、麻の繊維を細かく砕いたもの(日本では麻は手に入りにくいので、コーヒー豆の麻袋を粉砕した繊維を使いました)を混ぜたり、何だか料理をしているみたいな感じです。それをミキサーで混ぜて、まずは1回目の下塗り。目標はこれを午前中に済ませること。壁塗りは時間との勝負とのことですので、中途半端なところで手を止めるわけにはいかず、皆で横一列に並んで一気に進めます。

さらに同時進行で、台所ではお昼ごはんの準備。この日は羽釜ごはん&けんちん汁、大根のきんぴらと葉っぱのフリカケ。こんにゃく作りをしている横で昼食作り班が一緒に作業をしていて、その外ではおくどさんの煙突から煙が昇る中、壁塗り作業。人が集う家が蘇ったようで、やはり家は人が住んでこそ息を吹き返すんだなと思いました。

この日は、ちょうど家主さんが台湾から来た友人を連れて、ワークショップの見学に来てくださいました。台湾でも高齢化や地方の過疎化が問題になっていて(日本よりも深刻と言っておられました)、こうした取り組みを是非見たいという強い希望でお越しになられましたが、いろんな年代の方が同じ屋根の下で役割分担をしながら活動している姿を見て、とても感銘を受けておられました。日本と台湾で、交換文化交流体験などができれば素敵だなと思います。

みんなで一緒にお昼ごはんを食べてから(さすがに寒いので、今回からは母屋でストーブを焚いています!)、昼からは2度目の漆喰塗り。これがずっと残ることになりますので、緊張の瞬間ですが、皆さんだんだん上手になってきたのでなかなか良い感じに仕上がりました。毎回指導をしてくださっている職人集団「若匠」メンバーの奥村さんが、随分手直しをしてくださいましたが…(^_^;)
さらに、実はここのおくどさんは自分が若い頃に作った、という近所のおじいさんがふらっと立ち寄ってくださいました。左官屋をやっていたとのことで、40数年前に台所の壁なども塗ったそうです。おくどさんが現役で稼働している姿を見て、感激しておられました。彼もちょっちょっと壁塗りをやってくれましたが、さすがにプロ。コテでさっさっと撫でるだけで、すごくきれいに仕上がります。見ていると簡単そうなのですが、実際にやるとなかなかそうはいきません。

中庭の方では、引き続き奥座敷と蔵を繋ぐ廊下の張り替え作業を行っています。一番大変な土台を作る作業が終わり、その上にカットした板を張る作業です。目に見えて成果が現れる箇所なので、やりがいのある作業です。こうして少しずつ生まれ変わっていく姿を見ると、家に対する愛着も変わってきますね。

今回はいろんな方が集まってくださったワークショップになりましたが、古民家には、こうして地元の方々や海外からのお客さんを繋ぎ合わせてくれる力があるんだなと感じました。
2017年のワークショップはこれで終わりですが、来年は1月27日(土)の開催になります。餅つき大会&お雑煮作りですので、皆さんの参加をお待ちしています。紡が活動をし始めてから10ヶ月となりますが、たくさんの方のご協力があってこれまで続けてくることができました。いつもありがとうございます。では、皆さま良いお年をお迎えください!

関連記事一覧

Stay×TAKA「門前」の宿泊予約

過去の投稿

PAGE TOP