中野間の物件でのワークショップが早くも四回目を迎え、今回から土壁塗りに取り掛かることになりました。まったくの偶然ですが、この日は様々な地域から集まって下さった「山本さん」が、ナント11人!田舎の集落では同じ名前が多いので、皆さん下の名前で呼び合っていることが多いのですが、今日はまるでそんな感じのワークショップとなりました。今年の夏は雨の日がとても多いのですが、この日は晴れです!
これまで皆で床張り作業を行ってきた奥座敷の間が完成し、ベコベコだった床に何人乗っても大丈夫なぐらい頑丈な床に生まれ変わり、地元の畳業者さんが寄付してくださった中古の畳を敷き詰めて、部屋として使える状態に生まれ変わりました。
今日の作業は残りのもひとつの部屋の床の基礎づくり作業と、寄宿舎外側の土壁塗り、そして多可町加美区にカフェをオープン予定の山本さんからピクルス作りを教えてもらいました。
土壁塗りは紡の作業では初めてのことなので、日本の伝統技法を継承する職人集団「若匠」の左官職人・奥村さんから今日の作業行程を教えていただき、土壁塗りのノウハウを教えていただきました。
土壁の上に張ってある傷んだ板を剥がし、ポロポロと崩れ落ちてすっかり痩せてしまった壁に練った土を塗っていく作業です。日本の家屋の素晴らしいところは、崩れ落ちた数十年前の壁の土も、再度練り直すと何度でも使うことができるというところです。床下の補強のときにも感じましたが、古材やこうした土を何度でも使い回しができるというのは古民家が持つ魅力のひとつと言えます。
土壁塗りをしたことがない参加者のために、まずはコテとコテ板の使い方のレクチャー。最終的にはこの上から漆喰を塗って仕上げるので、この段階ではあまり細かいことを気にしなくても良いとのことでしたが、やはり師匠の塗り方は動きそのものからして違います。
事前に赤土と藁を混ぜて発酵させておいてくださった土の匂いを嗅ぐと、漬物のようないい感じの匂いがします。こうすることによって粘りのある土になり、土壁に適した土になるということです。
今回のお昼ごはんは、すっかりこのワークショップの中心的な存在になっているおくどさんを使った羽釜ご飯と、皆さんからご寄付を頂いた万願寺とうがらしとトマトの炒め物、そして山本さんのスパイスカレー、さらにもう一人の山本さん作のゴーヤの佃煮。
空き家になってひっそりとしていた家ですが、今は子どもたちの笑い声が響き渡り、たくさんの人が一緒に食卓を囲むことができる場として定着しつつあります。
午後からはピクルス作りです。作業に戻る人は自分の持ち場に戻り、ピクルス作りに参加したい方は、皆で40個分のピクルスを作ります。午前中から瓶の煮沸消毒作業をして乾かしていましたので、そこにキュウリ、ニンジン、大根を均等な長さに切って入れて、にんにく、スパイスなどを加えて煮たリンゴ酢を注ぎ込みます。ずら〜っと並べられた大量のピクルスの瓶は、なかなかインスタ映えする風景です。
子どもたちは水路で水遊び。残念ながら今回は前日の大雨対策で水路の元から水を遮断していたので水が少なかったのですが、それにもお構い無しで大はしゃぎ。やっぱり、子どもたちがこういう姿で遊んでいる姿を見ると安心します。
とりあえず、今回は天気にも恵まれて、土壁塗りの下地作りと床の基礎作り作業が順調に進みましたので、次回までにこの壁が乾いて、次の漆喰塗り作業に無事に進むことができるのではないかと思っています。
次のワークショップは、皆で完成させた奥座敷の間にもお客さんを招いて初の古民家ライブの開催です。昼間の土壁塗りワークショップに加えて、夕方からのライブという楽しい一日になることは間違いありません。食事の方は、通常の羽釜ご飯に加えてお団子作り&石臼を使ったきなこ作りに挑戦します。挽きたてのきなこは、ホントに良い風味です。皆さまのご参加をお待ちしています!