兵庫県多可町の歴史的建造物「H邸」の活用パートナー企業を募集します
一般社団法人紡は、兵庫県多可町にある「H邸」を後世に残し、活用することによって地域活性化の一助とするため活用パートナー企業を広く募集します。
申請中の登録有形文化財の保護等を目的とし、物件の詳細はこちらでは最低限の開示とさせていただきます。しかしながら、まずは私どもに連絡をいただき、その後の相談を進める中で物件の詳細をお知らせしていきたいと考えております。特殊な募集ではありますが、ご質問やご不明点等、お気軽にお知らせください。

物件概要
物件の現状
本物件は、兵庫県のほぼ中央に位置する多可町にあります。周囲はのどかな田園風景が広がっており、隣家とも程よい距離があるため開放的な雰囲気がある立地です。
現在、所有者が定期的に風通しや掃除を行い、庭師を入れて適切な管理を行っているので、大変きれいな状態で維持管理されている物件です。
上記に掲載した当時の図面のとおり、大きな母屋を取り囲むように離れと複数の蔵、納屋があります。また、周囲には土塀が張り巡らされており、前栽の他にもプライベートな空間を楽しむことができる中庭もあります。
物件の歴史・構造
建物は母屋、座敷、蔵、納屋などから成り、母屋は江戸中期(天保8年)、座敷は江戸末期から明治中期の建築とされ、保存されている古文書は1722年(享保7年)からのものが残されています。資料からは、地区の庄屋としての歴史を読み取ることができ、当時やその後の改修時の建築図面も現存しています。
江戸時代には生野銀山を統括する代官らが京都へ往復するときに陣屋(宿泊所)として使用されていたようで、古くから接待所になっていたと思われます。江戸末期に全国で頻発した一揆が加古川方面から播州を北上し各地の庄屋を焼き払っていたときに、一揆の首領が「この家だけは焼くな」と言ったために当時の姿のまま残っていると伝えられています。また、前栽には、昭和前期に使用されていたと思われる客人用の風呂棟が残されています。
現在、多可町教育委員会 那珂ふれあい館(文化財担当部署)と連携し、本物件の歴史や文化財、建築に関する調査を進めており、多可町内でも屈指の名家であることから国の登録有形文化財(建造物)への申請中です。
美しい煤竹の天井が見事な広い玄関スペースがあり、左手に田の字作りを基調とした奥の間や口の間などの居室部分が配置されています。庄屋としての多くの来訪者を受け入れることができる作りになっており、五穀豊穣と家内安全を願った神棚も残されています。広い通り土間の奥に以前は家人用の風呂場があり、竈を使用していた面影も残されています。
兵庫県多可町について(立地・観光・産業等)
多可町は、面積の約80%を森林が占めているまちです。他地域の山林の多くはほとんどが杉であることに対して、多可町の山林は70%ほどが良質な桧であるといわれています。瀬戸内海式気候の影響を受けて穏やかで比較的災害が少ない地域であったため、古民家等の古い建造物が多数残されているもの特徴のひとつです。
多可町には鉄道と高速道路が通っておらず、駅前周辺のような宅地開発などがされることなく日本の原風景のような自然が残されている地域として、近年、移住希望者からも注目されています。また、そうした風景を楽しむために、バイクのツーリングやサイクリストなどが訪れる場所になっており、(株)日本クアオルト®研究所に認定されたコースの他、全18のウォーキングコースが整備されているなど、自然体験を楽しむことができる場所として知られています。
また多可町は、国民の祝日「敬老の日」発祥のまち、酒米の王様「山田錦」発祥のまち、手漉き和紙「杉原紙」発祥のまちとしても知られており、豊かな自然環境と良質な水に恵まれ、コシヒカリや酒米「山田錦」や新鮮な野菜などの農産物の他、多可町加美区のみで飼育されている地鶏「播州百日どり」は、歯ごたえと甘みのある味わいが特徴で、地鶏・銘柄鶏好感度コンテストで2 位を獲得した実績があります。
古くからの地場産業である先染め織物「播州織」は、第二次世界大戦後、「ガチャマン」と呼ばれる好景気をもたらし、このまちの礎を作りました。現在は、若手織物職人が新たな団体を立ち上げ、これまで培ってきた技術と経験を活かして新たな織物づくりに挑戦し続けています。


募集に関して
募集実施主体
本物件の活用については、多可町文化財活用連絡協議会(以下、協議会)が主体となっています。協議会は、多可町教育委員会那珂ふれあい館(文化財担当部局)、一般社団法人紡、物件所有者の3者で構成されており、事務局は一般社団法人紡が担っています。
地域活性化の方向性
本物件は、所有者の意向により兵庫県多可町の地域活性化・地域貢献に資する事業展開の拠点となることを目指したいと考えています。
多可町内には地場産業である播州織や林業などで栄えた頃の名残として、日本の伝統工法を用いて良質な材をふんだんに使用して建てられた古民家が数多く残されており、今でも民家として使用されているものも多数あります。
これらの建物はまちの歴史を象徴する存在として、豊かな自然環境と共にまちの風景の一部を形成しており、先人が大切にしてきたモノやコトを伝える重要な役割を担っています。そうした建物を登録有形文化財として登録し、利用者に店舗等に活用していただくことで地域の財産として新たな息吹を吹き込みたいと願っています。
募集内容
本物件の母屋、蔵、および納屋の一部を活用して飲食店や酒蔵等の複数の店舗に入居・活用をしていただきたいと考えています。
物件の希少性とプライバシーの関係に配慮し、ウェブ上で物件に関する詳細をお伝えすることは差し控えていますが、歴史的価値のある古民家を活用して地域の拠点となる事業を運営してくださる企業・団体・個人を募集します。
「地域活性化の方向性」に記載されている趣旨に賛同し、適切な事業運営を行ってくださることが条件となりますが、関心をお持ちの方は下記「応募の流れ」の応募フォームからお問い合わせください。事業内容につきましては、飲食店や酒蔵以外にも希望者の皆さまからの提案をお聞かせいただき、協議会メンバーと共にディスカッションを行いながら決定させていただきたいと考えています。


応募の流れ
【1】応募フォームからご連絡をお願いいたします。なお、募集や物件に関するお問合せも同フォームから受け付けておりますので、お気軽にご連絡をお願いいたします。
【2】オンライン説明(ZOOMを使用)を実施します。物件の詳細について紹介させていただき、質疑応答も受け付けます。その際、事業提案の構想等がお決まりでしたらお聞かせください。
【3】オンライン説明を受けていただた後、事業提案に手を挙げられる方はその後メールベースでやり取りをさせていただきます。随時、ZOOMでのお打ち合わせも可能です。
【4】正式な事業提案をいただきました後、協議会で進行可の判断が出ましたら、現地案内の日程調整を行います。現地案内については、所有者も立ち会います。
【5】現地案内を実施後、双方が事業進展を望む場合には、マッチング成立として具体的な事業検討に入ります。パートナー企業様と協議会とで検討を行います。


物件概要
■所在地
兵庫県多可郡多可町地内
■交通
中国自動車道「滝野社」インターから車で36分
中国自動車道「加西」インターから車で33分
北近畿豊岡自動車道「氷上」インターから車で29分
■間取り・棟数
母屋:和室4、板間1、洋室1、風呂、トイレ、キッチン
離れ:和室3
土蔵:4棟
納屋:1棟
風呂棟:1棟
門(2か所)
■附属設備等
陶芸用作業場
井戸(水質検査未実施)
■その他必要な情報を追加
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応募・お問合せフォーム
本ページでは物件詳細は明かしておりませんが、お問合せくださった方には随時物件詳細をお伝えします。

















